家の建て替えは2,000万円でもできる?費用を抑えるコツを解説

家の建て替えを検討されている場合、できるだけ費用を安く抑えたいと考える方は多いでしょう。

「2,000万円以内で家の建て替えは可能なのか?」
「家を建て替えたいけど、何にどれだけ費用がかかるのかわからなくて不安」
「できるだけ安く建て替えるコツはあるの?」

建て替える未来への期待と同時に、上記のような費用面に関する不安を感じる方もいるのではないでしょうか。そこで当記事では、費用を2,000万円に抑えるコツや、建て替えに必要な諸費用の内訳、建て替えのメリット・デメリットを紹介します。

2,000万円で家の建て替えはできる?

家の建て替え費用を2,000万円に抑えることは可能です。しかし、相場に比べると低めの金額設定になるため、ローコスト住宅で建て替えるなどの工夫が必要です。

国土交通省の「令和3年度住宅市場動向調査 報告書」によると、建て替え住宅の平均的な購入資金は、3,299万円とされています。このうち自己資本比率は平均55.4%で、1,828万円となっています。
(出典:国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査 報告書」

全体的な費用に関する知識に加えて知っておきたいのが、延床面積あたりの費用相場です。

三大都市圏での平均的な延床面積は、120.2平方メートル(約36坪)です。建て替え住宅にかかる平均的な資金3,299万円を考慮すると、延床面積あたりの費用相場は1平方メートルあたり約27.4万円になります。

面積の大きさに比例して費用は高くなるため、1平方メートルあたりの相場を知っておけば、建て替え費用の相場をリアルにイメージできるでしょう。

また、住宅金融支援機構の調査では、マンションを除いて住宅に必要な資金は増加傾向にあります。今後も増加するということを念頭に置き、建て替え時期の検討を行いましょう。

建て替えに必要な諸費用の内訳

全体的な建て替え費用を知った上で、次は建て替えに必要な諸費用の内訳について解説します。家の建て替えに必要なのは建築費だけではありません。さまざまな費用が必要になります。

費用の内訳について知っておけば、どの費用で金額が抑えられるかなど、費用面での工夫がしやすくなります。2,000万円で家を建て替えるための第一歩として、まずは5つの費用について詳しく解説します。

建築費

費用の大半を占めるのが建築費です。相場は1坪あたり約75万円であり、戸建の平均延床面積36坪で概算すると、建築費の相場は2,700万円といえます。建て替え費用全体の約8割が建築費にかかるということを留意しましょう。

また、建築費に加えて設計費も必要となります。設計費の相場は、ハウスメーカーや工務店の場合、建築費の5〜10%程度、建築事務所の場合、10〜20%を支払う必要があります。

地盤調査・整地費用

建て替えに取りかかる前に地盤調査を行うことが、建築基本法で義務化されています。
(出典:住宅地盤品質協会「住宅地盤に関する法令」

地盤調査の相場は以下の通りです。

工事名 金額
スウェーデン式サウンディング試験 約3万〜5万円
ボーリング調査 約25〜30万円

一般的な住宅の場合はスウェーデン式サウンディング試験が行われ、マンションや規模の大きな建物、地下室がある場合などはボーリング調査が行われます。

また、地盤の強度が基準を満たしていない場合は整地を行うため、整地の費用の相場も知っておきましょう。

工事名 金額(1坪あたり) 金額(36坪あたり)
表層改良工法 約3万円 約108万円
柱状改良工法 約4〜5万円 約144〜180万円
鋼管杭工法 約5〜7万円 約180〜252万円

地盤調査の結果をもとに必要な整地の工事が決まるため、信頼できる業者に地盤調査を依頼することがおすすめです。

解体や撤去の費用

家を建て替える場合、家の解体・撤去費用も内訳に含まれます。解体費用は建物の構造によって異なるため、お住まいの構造を把握した上で解体・撤去費用の相場をみていきましょう。

建物の構造 金額(1坪あたり) 金額(36坪あたり)
木造 約3〜5万円 約108〜180万円
軽量鉄骨造 約3〜6万円 約108〜216万円
鉄筋コンクリート造 約4〜8万円 約144〜288万円

解体・撤去費用は建物の構造の他にも、立地や解体業者によって異なるため、複数の業者から相見積もりを取って実際の相場を比較するようにしましょう。

また、建物に加えて倉庫や塀、庭石など、建物に付帯する設備の解体・撤去が必要な場合は、追加で費用が発生するケースもあります。

引越しや仮住まいの費用

建て替えの場合、仮住まいの費用と引越しの費用も必要です。まず、引越し費用の相場を確認しましょう。同一都道府県内での引越しを想定した場合の費用相場は、下記の通りです。

1回の引越しで必要な引越し費用
引越し時期 金額(2〜3人家族) 金額(4〜5人家族)
通常期(5〜2月) 約6〜10万円 約7.5〜16万円
繁忙期(3〜4月) 約7.7〜11.8万円 約11〜19.2万円

仮住まいへの引越しと建て替え完了後の自宅への引越しで、最低でも2回分の引越し費用が必要になるため、上記の2倍かかることを把握しておく必要があります。

仮住まいは、賃貸住宅とマンスリーマンションの2つの選択肢が挙げられます。賃貸住宅は初期費用の負担が大きい一方で、マンスリーマンションは短期間の滞在を想定しているため、初期費用は安く抑えられます。

ただし、仮住まいの居住期間が7〜12ヶ月を超える場合は、総額が賃貸住宅のほうが安くなるケースもあります。建て替え期間が短期で終わる場合はマンスリーマンションを、長期間にわたって行われる場合は賃貸住宅を選ぶといいでしょう。

税金

新たに建て替える建物に消費税がかかるのはもちろんのこと、そのほか「不動産取得税」「登録免許税」「印紙税」の3つの税金がかかります。

不動産取得税

土地の購入・贈与や、家屋の購入・贈与・建築時などにかかる税金です。「家屋」には、住宅以外にも工場やお店、倉庫などの建物も該当します。税率は4%ですが、現在は特例措置により、土地や住宅の場合のみ3%に減税されます(2024年3月31日までに取得した場合に適用される)。

また、以下の計算式で税額が決まります。

不動産取得税=(固定資産税評価額-1,200万円)×4%(特例措置の場合3%)

(出典:総務省HP『不動産取得税』

固定資産税評価額とは、各市町村の固定資産課税台帳に登録された価格のことを指します。住宅なら建築費の約50〜60%、土地は時価の約70%であることが一般的です。

登録免許税

不動産の所有権や抵当権を登記する際に、登記所で納付する国税のことを指します。建て替えの場合は、4種類の税金がかかります。

登記の種類 概要 税額
建物滅失登記 建物を取り壊したときに行う 約4〜5万円
建物表題登記 建物が新しくできたときに行う 約8〜9万円
所有権保存登記 住宅ローンを組む前に行う 約2〜3万円
抵当権設定登記 住宅ローンを組むときに行う 約3〜5万円

登録免許税は、合計約17〜22万円必要です。建物の種類や大きさ、階数などによって金額が決まります。
(出典:国税庁HP『No.7191 登録免許税の税額表』

印紙税

建築業者との間で結ぶ「建設工事請負契約書」に課される税金です。税額の詳細は、国税庁のホームページで確認できます。
(出典:国税庁HP『No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」

建て替え費用を2,000万円以内に抑えるためのコツ

家の建て替えにかかる費用の内訳を知ると、「2,000万円で抑えるのは難しいのではないか?」と不安に思う方もいるでしょう。

しかし、コツを掴んで工夫をすれば、2,000万円以内に建て替え費用を抑えることが可能です。ここからは費用を抑えるための5つのポイントを解説するため、建て替えを検討するときの参考にしてください。

妥協できるポイントとできないポイントを決めておく

限られた予算で建て替えを行う場合、要望をすべて実現することは難しいと考えておきましょう。妥協できるポイントとできないポイントをあらかじめ決めておき、予算内でできる限りの要望を叶える準備をしておくことが大切です。

新しい家で実現したいことを書き出して把握し、優先順位をつけておくことで、「予算内でどう叶えていくか?」という方針のもと、話し合いを進めることができます。費用を抑えることに加えて、スムーズな段取りで進められるといったメリットもあります。

相見積もりを取る

家を建て替える際には、ハウスメーカーや解体業者、引越し業者や不動産会社など、複数の業者とのやりとりが発生します。業者を利用する際は、できるだけ複数の会社で相見積もりを取りましょう。

各社の見積もりを比較することで相場が把握でき、同じサービスでも安く対応できる会社を見つけることができます。また、気に入った業者の料金が割高な場合に、他社の見積もり内容をもとに価格交渉をすれば、金額を下げてくれる可能性もあるでしょう。

できるだけシンプルな設計にする

建て替え費用の内訳で、最も割合を多く占めるのは建築費です。多額な費用がかかる一方で、一番費用を抑えられる項目でもあります。建築費と設計費を安く抑えるために、できるだけシンプルな設計にすることを心がけましょう。

複雑になればなるほど必要な材料や作業工程が増えるため、費用がかさみます。それにともない設計費もかさんでしまうのは言うまでもないでしょう。

間取りや外観などをシンプルな設計で考えたとしても、実現可能な設計かどうかはプロでないとわからない部分もあるため、業者に相談しながら決めることがおすすめです。

工事の種類や使う材料を減らす

建築費を抑えるためにはシンプルな設計に加えて、工事の種類や材料にも注目するとよいでしょう。工事の種類が増えれば増えるほど、材料費・人件費等がかさむため、建て替え費用が増えてしまう傾向にあります。費用を抑えるなら、工事の種類を減らし、使う材料もできるだけ統一して同じものを使うことをおすすめします。

例えば、上下階の位置を揃えることで建物の構造上のバランスがよくなり、必要な工事の種類や材料を統一することができます。また、材料の観点でいえば壁紙(クロス)の種類を統一することも費用削減に効果的です。複数の種類を使うと材料のロスが増えるため、費用がかさむ恐れがあるという点に注意しましょう。

閑散期に工事や引越しを行う

家の建て替え時にかかる費用の中で、建築費以外で費用を抑えられるのが「引越しや仮住まいの費用」です。引越し業者・不動産業者の閑散期に時期を合わせることで費用を抑えられます。

引越し業者・不動産会社の閑散期は5〜8月、11〜2月とされています。閑散期は賃料や引越し費用が繁忙期に比べて安くなるため、2回の引越しが必要な建て替えの場合、費用を抑えやすくなります。

時期に余裕があるなら閑散期を狙って家の建て替えを行うことで、費用を安く抑えましょう。

2,000万円で行うなら建て替えとリフォームのどちらがおすすめ?

ここまで家の建て替えについて費用面にフォーカスして解説してきました。建て替えを検討している方は持ち家があるため、費用をできるだけ安く抑えたいのであれば、「リフォーム」の選択肢も考えるとよいでしょう。

建て替えもリフォームも「家を改良する」という点では同じものの、それぞれにメリット・デメリットがあります。ここからは、建て替えとリフォームのメリット・デメリットを解説します。

建て替えのメリット・デメリット

建て替えのメリットは、下記の2点です。

  • 構造や間取りを望んだ形に変えられる
  • 住宅の性能や設備を改善できる

建て替えでは新たに一戸建てを建てるため、構造や間取りを現在の要望に合わせて変えられるといったメリットがあります。

一方で下記は、建て替えのデメリットです。

  • 自宅の解体が必要になる
  • リフォームより費用が必要になる

自宅を解体するための費用や一から構造を立て直すための費用がかかるため、リフォームより費用が高くなってしまう傾向にあります。

リフォームのメリット・デメリット

下記の2点が、リフォームのメリットです。

  • 工期が短い
  • 費用が比較的安い

家の解体作業がなく、改良できる範囲に限りがあるため打ち合わせ内容も短縮でき、工期が短く費用が比較的安く抑えられます。

リフォームのデメリットは下記の通りです。

  • 望んだ構造や間取りにできない
  • 住宅の性能改善には向かない

ライフスタイルの変化に合わせた住みやすさを実現するなら、費用を抑えながら建て替えをするほうが向いていると言えます。

建て替えに利用できる補助金の種類

建て替えはリフォームより費用がかかってしまう点がデメリットになりますが、補助金を利用することで費用の負担を軽くできます。ここでは建て替えに利用できる4つの補助金の制度について詳しく解説します。

耐震化補助制度

木造住宅の建て替え工事を行う際に利用できる補助金に、「耐震化補助制度」があります。この補助金を利用するための条件は、「1981年5月31日以前に建築主事の確認を受けて建築されたもの」であることです。

補助金内容は自治体ごとに異なります。例えば、吹田市で建て替え(除却工事)を行う場合、次のうちいずれか少ないほうの額が適用されます。

  1. 除却工事に要した費用の5分の4
  2. 40万円 ※長屋、共同住宅は1棟につき40万円

(出典:吹田市公式HP『耐震改修の補助制度』

つまり、最大40万円の補助金を活用することができることになります。

また、耐震化に関する支援は、自治体だけでなく国からもあり、安全のためにも強化を進めたい項目として意味づけられています。
(出典:国土交通省『住宅・建築物の耐震化に関する支援制度(令和4年)』

住宅ローン減税

建て替えの費用で住宅ローンを利用した際に、所得税の控除が受けられる制度です。年末のローン残高の0.7%を、所得税(一部、翌年の住民税)から控除されます。
(出典:国土交通省公式HP『住宅ローン減税』

補助金を受け取る仕組みの制度ではありませんが、税金の控除を最大13年間に渡って受けられるため、節税に繋がります。

ZEH補助金

ZEH(ゼッチ)とは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略称で、省エネ・創エネ機能が高く、地球に優しい住宅のことを指します。ZEH住宅を促進するための補助金制度としてZEH補助金があります

ZEHを実現する改修工事をした場合に補助金を受け取れます。条件によって受け取れる金額はさまざまで、数十万〜数百万円ほど交付されます。

補助金を受け取るための条件は以下の通りです。

  • 3つの性能「断熱・省エネ・創エネ」が実現できること
  • ZEHビルダー・ZEHプランナーが設計、建築または販売する住宅であること

(出典:経済産業省・国土交通省・環境省 3省連携事業『ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの推進に向けた取り組み』

条件を満たすためには、ZEHビルダー・ZEHプランナーの設計・建築が必要なため、ハウスメーカー等と契約する際は確認しましょう。

地域型住宅グリーン化事業補助金

地域型住宅グリーン化事業補助金とは、国土交通省の採択を受けた業者が建てる、省エネルギー性能や耐久性能等が優れた木造住宅を対象に補助金が交付される制度です。

補助対象住宅について
対象となる住宅のタイプ 補助額上限
長期優良住宅 140万円
高度省エネ型(認定低炭素住宅) 90万円
ゼロ・エネルギー住宅 150万円

(出典:一般社団法人気を活かす建築推進協議会公式HP『補助対象住宅について』

ただし、補助金は施主に直接交付されるわけではありません。業者に補助金が交付され、間接的に補助金の恩恵を受ける仕組みになっています。実際に受け取ることができる補助額は対応する業者によって変動するため、事前に確認しましょう。

また、実施される年度によって内容が異なるため、建て替え時には補助金を受け取れるのかの、条件の確認も必要です。
(出典:地域型住宅グリーン化事業(評価)『募集要項・応募様式』

まとめ

家の建て替えの諸費用を2,000万円に抑えるコツとしては、できるだけシンプルな設計や機能にして建築費を抑える方法や、補助金制度を活用する手段があります。

また、建築費をどれだけ抑えられるかは、依頼する業者によっても大きく左右されます。吹田市・摂津市で建て替えを検討されるなら、ぜひ「Jin-House」に相談してみませんか?

お客様の人生に寄り添うような住まいづくりを目指し、費用を抑えるコツから、お客様の叶えたい暮らしの実現まで丁寧にサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

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