コラム

天井の高い家に住むメリット・デメリットを解説|天井高の標準や部屋別の目安も紹介

家を建てる際は、「天井の高さ」にこだわると部屋全体の印象が変わります。天井が高い家は開放感が出るほか、自然光をたくさん取り入れられたりインテリアの自由度が広がったりと、魅力的なメリットがたくさんあります。その反面、冷暖房効率の低下やコスト面、掃除の手間などのデメリットがあるのも事実です。

本記事では、天井高の標準的な高さを紹介したうえで、天井が高い家に住むメリット・デメリットを詳しく解説します。部屋ごとの適切な天井高も紹介するので、天井の高い家づくりを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

標準的な天井の高さ:2m40cm前後

戸建て住宅の標準的な天井の高さは、2m40cm前後です。日々生活しているなかで、天井の高さを気にする機会は少ないかもしれませんが、平均より低くなると圧迫感を感じやすくなります。そのため家を建てる場合は、天井の高さも考慮する必要があるでしょう。

標準的な天井の高さは、障子が使われていた頃の家が基準になっているといわれています。障子や襖が6尺(1800mm)、そこに2尺(600mm)をプラスした高さが、天井の高さの基準です。

前述したように天井の高さの平均は2m40cmですが、戸建ての場合は階数によって高さを変える場合があるほか、ハウスメーカーによって天井高の標準設定が異なるなど、時と場合により標準の高さを前後することが一般的です。

建築基準法では、天井の高さが2m10cm以上あれば、居室としての使用を認められているので、標準より天井が低い家ももちろんあります。そのため、戸建て住宅の標準的な天井の高さは、2m20cm〜2m40cmと考えておくと良いでしょう。

(出典:文部科学省「建築基準法施行令の一部を改正する政令(平成17年11月7日公布・施行)」より)

天井が高い家に住むメリット

戸建て住宅の標準的な天井の高さは、2m40cm前後ですが、より高く設計することで得られるメリットがあります。

では、天井を高くすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、4つのポイントを解説します。

開放感がアップする

天井が高いと、視界が広がり空間にゆとりが生まれ、開放感がアップします。たとえば、ホテルやビルのロビーなどに足を踏み入れたとき、広々と感じたことはないでしょうか。天井が高い家も同じように、開放感を演出できるメリットがあります。

日常生活では、意識しなくとも天井が視界に入るものです。そのため、天井を高くすることで、天井が視界に入りにくく、余白が生まれやすくなります。そうすると、圧迫感が軽減され、開放的で広々と過ごしやすい空間になるでしょう。

特に床面積が広い間取りで高い天井にすると、もとの空間の広さも相まって開放感がアップします。

同じ床面積でもできるだけ部屋を広く見せたい方は、天井を高くすると良いでしょう。

自然光を取り入れやすい

天井を高くすると、その分だけ壁が広く使えるので、上部に窓を設置できるようになります。そのため、自然光を取り入れやすくなるメリットがあります。

高い位置に窓をつけることにより、通常よりも外からの目線が気になりにくく、視線を遮る用途でカーテンやブラインドを設置する必要がなくなるケースも少なくありません。あえてカーテンをつけずに、自然光を楽しむという選択肢もあります。

また、太陽の光により部屋全体が明るく感じられ、室内に温かみと心地よさを演出できるでしょう。天井を高くすることで、窓のサイズや配置などを自由に選べ、より自分好みの空間を設計できるのもメリットといえます。

インテリア・間取りの自由度が増す

天井が高い家のメリットとして、インテリアや間取りの自由度が格段に広がることが挙げられます。特に、デザイン性を重視したい方におすすめです。

天井が高い家を検討中の方のなかには、シャンデリアやペンダントライトなど吊り下げ式の照明器具を取り入れたい人も多いのではないでしょうか。

天井が通常よりも高いと、その分高さを気にせず吊り下げ式の照明器具や家電を取り入れられ、圧迫感を感じることなく過ごすことが可能です。

また、天井高に余白がある特徴を活かして間取りをアレンジすることで、収納スペースを確保したり、和室を底上げして掘りごたつを設置したりもできます。家族構成やライフスタイルにあわせて住み心地の良い家に仕上げられるでしょう。

そのほか、背の高い家具が配置できるなどインテリアの選択も多様になり、自分自身の好みや趣味を反映した家づくりが可能です。

換気がしやすくなる

天井が高い家では、窓を高い位置に設置できることから、風通しがよくなります。その結果、換気効率が向上することもメリットの一つです。

暖かい空気は室内を上昇するので、上部に窓があると自然と空気が外に逃げる流れが生まれ、室内の空気がスムーズに循環します。春先や秋口など季候が穏やかな季節は、窓を開けるだけで新鮮な空気を室内に取り込むことができ、エアコンや換気システムを使わずとも快適な室内環境が整うでしょう。

また、現在の住宅は、建築基準法により24時間換気システムの導入が義務化されています。

換気システムに加えて窓を通しても空気の入れ替えができれば、リビングのように使用頻度が高い空間でも、こもりがちな空気を効率的に入れ替えられます。換気効率が高い家になり、より快適に過ごせるでしょう。

リフォームしやすくなる

持ち家に長く住んでいると経年劣化によりリフォームを行うタイミングがあるかもしれません。そんなとき、床から天井までの高さが十分にあると、リフォームの幅が広がるメリットもあります。

たとえば、床を底上げして床下収納を作ることで、収納力を増やしながら空間を有効活用できたり、室内の段差を解消してバリアフリー化したりと、床の高さを調整するようなリフォームも視野に入れやすいです。

さらに、天井の高さを活かしたロフトの設置や、照明器具の交換といった改修もスムーズに行えます。空間に余裕があることで、暮らしの変化にも柔軟に対応できるような空間作りができることが、天井が高い家に住むメリットです。

天井の高い家に住むデメリット

天井の高い家は、開放感が演出できるほかデザイン面でこだわれるなど多くのメリットがあります。一方、費用面や実用性で課題が生じることも少なくありません。

ここでは、天井が高い家に住む際のデメリットについて詳しく見ていきましょう。

建設費やカーテンなどのコストがかさむ

天井が高い家に住むデメリットは、コストが高くなりやすいことです。天井が高いと壁の総面積が増え、合板や外装材などの建築資材が通常よりも多く必要となります。

また、大きな窓を設置する場合は、既製品カーテンでは対応できず、オーダーメイド品を選ばなければならないこともあるでしょう。そうなると、費用がさらに高くなる可能性があります。

一方、高い天井を標準仕様としているハウスメーカーであれば、材料の一括仕入れや作業効率の改善により、建築コストが抑えられる場合もあるようです。

ハウスメーカーを比較検討する際は、複数の会社をリサーチし、予算やデザインなど総合的に見て理想を形にできる会社を見つけることが重要です。

冷暖房効率が下がる

天井が高いことで空間の体積が増え、冷暖房効率が低下することがあります。なぜなら、体積が大きければ大きいほど、室温を快適に保つために必要なエネルギーが増えるからです。

特に、夏や冬の季節は、外気温と室内での過ごしやすい温度に差が大きく生まれることで、空調が効き始めるまでの時間も長くなり、冷暖房費が高くつきます。そのうえ、天井が通常よりも高いと部屋が広くなる分、光熱費がさらに負担となるでしょう。

シーリングファンを用いて空気の循環を良くするほか、複層ガラスの設置や高性能断熱材の使用など、断熱性が改善される仕組みを取り入れて対策を打つのも手段の一つです。

掃除やメンテナンスの手間が増える

天井が高いと、掃除やメンテナンスに手間がかかることもデメリットとして挙げられます。たとえば、天井近くの窓を掃除する際や照明器具を交換する際は、大型の脚立や特別な道具が必要になる場合もあるでしょう。

また、高所作業は危険を伴うため、プロの清掃業者に依頼することを検討する必要があるかもしれません。天井の高い家に住むと、メンテナンス時に必要な道具が増えたり業者の手配が必要になるなど、手間が増えてしまう恐れがあります。

照明器具については、寿命の長いLEDを選ぶことで交換頻度を減らし、メンテナンスの手間を軽減することも可能です。しかし、定期的な清掃や管理が必要であるため注意が必要です。天井が高い家に住む際は、住んでからのことも視野に入れることが重要といえます。

音が響きやすくなる

天井が高いと音が反響しやすく、会話や生活音が家の中で響き渡りやすいデメリットもあります。一般的に、天井が高い家を立てるとき、冷暖房効率を上げようと気密性を高めることがありますが、反響が強まる原因になることも。

こうしたリスクを回避するには、吸音効果の高い壁材や天井材を使用することが有効です。

また、カーペットやカーテンなどを活用して音の反響を抑えることで、快適な生活空間を作ることができます。音に敏感な方や静かな環境を求める方は、あらかじめ対策を検討しておくことがおすすめです。

リフォーム代が高くつきやすい

天井が高い家では、壁紙や外壁の面積が広くなるため、リフォームや修繕費用がかさむ可能性があります。なぜなら、壁や天井の高さに応じて塗装や張替えの費用が増えることが一般的だからです。

一方、天井高が10〜20センチ程度の違いであれば、費用差がそれほど大きくならない場合もあります。

将来的なコストを抑えるには、塗装が不要な外壁タイルやメンテナンスの少ない素材を選ぶと良いでしょう。さらに、耐久性の高い素材を使用することで将来的な負担を軽減することが可能です。

家づくりの際は、設計段階での将来的なコストの見積もりをして素材を選ぶと、住み始めてからの満足度も高くなりやすいでしょう。

部屋ごとに天井の高さを変える場合の目安

前述した通り、天井高には標準的な高さがありますが、過ごす部屋によっては多少前後することもあります。そのため、部屋の用途や機能に応じて天井の高さを変えることで、より快適で機能的な空間づくりが実現できるでしょう。

ここでは、各部屋の標準的な天井高や高さを決める基準を以下にまとめました。

部屋の種類 標準的な天井高 天井高を決める基準
玄関 2m20cm〜2m30cm程度
(靴を履く框の高さを20cmとした場合、2m40cm〜2m50cmが天井の高さの目安)
玄関ドアの高さ
リビング・ダイニング 2m40cm〜3m程度
(リビングとダイニングを一緒にする場合は、それぞれの天井の高さを決める)
・リビングは、大人が立ったときの目線の2倍程度
・ダイニングは、イスに座ったときの2倍高さが目安
キッチン 2m30cm程度 「キッチンの高さ・つり戸棚・レンジフードの高さ」が基準
寝室 ベットの高さプラス1m、または床から1m70cm程度 リラックスした空間を作るために、天井の高さは低めにする

まとめ

天井の高さは、住まいの快適さやデザイン性を大きく左右する重要な要素です。

天井を高くすることで、開放感がアップしたりインテリアの自由度が増したりするなどメリットが多くあります。一方、冷暖房効率の低下や建設費の増加などのデメリットも考慮する必要があるでしょう。

本記事では、天井の高い家に住むメリット・デメリットを詳しく解説を紹介しました。家族構成や生活スタイルに応じて天井高を工夫することで、より理想的な空間づくりを実現できます。

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