建売住宅の注意点7つを紹介!後悔しないための基礎知識を解説

できるだけ安くマイホームを購入したい方にとって、建売住宅は魅力的に感じるでしょう。

しかし、「建売住宅と注文住宅、どちらのほうが良いのか」「建売住宅を購入する上で気を付けることは何なのか」などが気になり、建売住宅の購入に踏み切れない方もいるのではないでしょうか。建売住宅を購入する際は、事前に押さえておくべきポイントがいくつかあります。

当記事では、建売住宅を購入する際の注意点や、後悔しない選択をするための基礎知識を解説します。建物の内見前や建売住宅のメリット・デメリットを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

建売住宅とは

建売住宅とは、不動産会社などが購入した土地に住宅を建設し、完成済みまたは完成予定の住宅と土地をセットで販売している住宅を指します。

建売住宅は、完成した建物を見学した上で購入を検討できるので、「想像と違った」というリスクを回避できることがメリットです。一方で、決められた間取り・建物を購入するので、自分好みにカスタマイズするなど、自由に設備を決めることはできません。

また、建売住宅の一種に「分譲住宅」があります。分譲住宅とは、面積の大きな土地を区画整理した「分譲地」に複数の建物を建て、1戸の住宅とその土地をセットで販売することです。

建売住宅や分譲住宅は、予算をできるだけ抑えて購入できるといった魅力があります。予め設計されたデザインやプランを使用することが多いため、設計・施工にかかるコストや時間、資材費などが削減できます。特に分譲住宅は、複数の分譲地に同系統の住宅をいくつも建設するため、資材の大量仕入れが可能になり、建築費をより安く抑えられるようになります。

建売住宅と注文住宅の違い

注文住宅とは、元々所有していた土地や購入後の土地に、自分好みの建物を一から建築する住宅のことを指します。購入者の希望の住まい・ライフスタイルに合わせて、間取りや素材などを決めていくので、理想のマイホームの実現が叶いやすい点がメリットです。

建売住宅は、決められた建物を購入するのに対して、注文住宅は、自由に設計した建物を購入できます。

建売住宅にも注文住宅にも、それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらが良い・悪いというわけではありません。新居に求める理想や条件などによって、どちらを選択するべきかが変わってくると言えるでしょう。

建売住宅を建てるときに確認すべき注意点

建売住宅を選択した場合、内見時に建物の確認をするのはもちろん必要ですが、建物以外にも確認しておくべきポイントがあります。

後悔のない選択をするためにも、建売住宅のどこを確認しておけば失敗しないかを知っておきましょう。ここでは、建売住宅を購入するときに確認すべき注意点を7つご紹介します。

物件価格の内訳を事前に確認する

建売住宅を購入する場合、物件価格の内訳を事前に確認しましょう。物件価格は、「土地価格」「建物価格」「消費税」を合計した金額が書かれてあることがほとんどです。

建物価格には、建物の標準仕様の設備が含まれます。しかし、標準仕様だけでは生活に必要な設備が完備されていないことが多く、オプション工事が必須になります。たとえば、網戸やエアコン、カーテンレールなどはオプションに該当する可能性があり、何を標準仕様としているかは会社によって異なります。

物件価格の内訳を知っておけば、「どのオプションが必要で、追加でどれくらいの費用が必要なのか」といった金額の算出を事前に行うことも可能です。

「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、物件価格の内訳を事前に確認しておきましょう。

物件周辺の環境をリサーチしておく

建物の内見に加えて、物件の周辺環境もリサーチしておきましょう。建物の住みやすさは、家の間取りや設備だけでなく、周辺環境によっても大きく左右されます。どんなに理想の家でも、周辺環境に不満があればストレスになってしまいます。

リサーチの際は、自身や家族の生活スタイルと環境が合っているかを確認しましょう。買い物施設や病院、役所・銀行などの公共機関は、利便性の良さを考慮しながら調べておくと住みやすくなります。

また、昼と夜、平日と休日などでも周辺環境の雰囲気は異なってくるので、曜日や時間帯も変えてリサーチすることをおすすめします。

犯罪発生状況やハザードマップなども確認しておけば、緊急時の対応やもしものときの想定もできるため、さらに安心できるでしょう。

点検口の有無を調べておく

建売住宅を購入する際は、事前に点検口の有無を調べておきましょう。点検口とは、床下や天井裏、壁などで隠れて見られない場所を点検するために設置された開口部のことです。

点検口を開くと、配管や配線、床下の基礎部分、断熱材など、住宅を支える機能がつまっています。点検口がない住宅では、床下・屋根裏のメンテナンスができないので、住宅を長く住み続けるのが難しいと言えるでしょう。

たとえば、雨漏りなどのトラブルがあった場合、点検口があれば素早く対応できますが、点検口がなければ天井を壊して屋根裏を確認する必要があります。

点検口の有無は、担当者に図面をベースに口頭で確認しましょう。内見のときに位置の確認と、点検口を開けてみて点検できる状態かまでチェックしておけば、より安心です。1階の床面、天井裏(屋根裏)の2点に設置されているかどうかの確認は必須です。壁の点検口は設けられていることが少ない傾向にあります。

点検口の有無は、住宅の寿命にも関わるため、購入前に必ず調べるべき基本的なチェックポイントと言えます。

生活スタイルに合わせて優先順位付けをする

建売住宅は、決まった間取りや設備の住宅を購入することになるので、注文住宅のようにすべてが理想通りになることは難しいでしょう。そのため、購入前に住宅に求めるポイントを考え、優先順位を付けておきましょう。

住みやすい住宅選びの基準は、生活スタイルに合うかどうかです。たとえば、通勤までの距離や駐車場の台数など、譲れない条件があれば住宅も選びやすくなります。条件が多すぎても決められないため、3つほどピックアップして優先順位付けをしておくと良いでしょう。

内見時にはポイントを押さえて性能チェックをする

内見時には住みやすさを考えて、住宅の性能をチェックしておきましょう。限られた時間ですみずみまで確認するのは大変なので、ポイントを押さえてチェックするのがおすすめです。

内見で押さえておきたいチェックポイントを紹介します。

チェックする場所 チェックするべきポイント
間取りの広さ 家具を置いても広さは十分か
日当たり/風通し 日当たりのよい方角か、建物などの障害物がないか
洗濯機置き場 防水パンの大きさはどれくらいか
ベランダ/バルコニー 洗濯物が干せる広さか
コンセントの位置と数 家電の配置ができるか
防犯面で安全か、交換は可能か
騒音や生活音 窓の開閉を行い、生活音や騒音に問題がないか
駐車場/駐輪場の有無 必要台数の収容が可能か

上記のほか、生活導線もイメージしながら内見すれば、住みやすいかどうかの判断がしやすいです。

未完成物件の引き渡しは避ける

未完成物件の引き渡しは、トラブルのもとになるため避けましょう。

未完成物件とは、当初の計画で完成とされていた状態にまだ達していない状態の物件のことを指します。未完成のまま引き渡しを行いサインすれば、契約が完了したことを認めたことになります。不具合があったときに対応してもらえない場合や、最悪のケースでは、未完成のまま業者が倒産してしまうことも考えられるでしょう。

未完成物件の引き渡しは避けるほうが賢明と言えます。完成済みの物件を引き渡してもらうことで、より確実で安心な取引を行うことにつながるでしょう。

住宅性能表示のある物件を選ぶ

住宅性能表示とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、建物の品質を評価した証のことです。住宅性能機関が査定を行い、消費者に分かりやすい「等級」などで表示されます。
(出典:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会「住宅性能表示について」

第三者の視点で住宅の評価がある住宅は、安心して購入を決められるポイントにもなるでしょう。住宅性能表示制度の利用は任意のため、表示のない物件もあります。住宅性能表示がある物件を選ぶように心がけましょう。

建売住宅のメリット

新居を購入する場合、大きく分けて建売住宅と注文住宅の2つの選択肢があります。どちらもメリットとデメリットがあるため、自身や家族の希望条件に合わせて検討しましょう。

ここでは、建売住宅のメリットを3点紹介します。

注文住宅より低価格

建売住宅の大きなメリットの1つに、注文住宅よりも低価格であることが挙げられます。国土交通省によると、注文住宅の平均的な購入資金は3,909万円に対して、建売住宅の場合は3,364万円であることが分かっています。
(出典:国土交通省 住宅局「令和3年度 住宅市場動向調査報告書」

建売住宅が注文住宅よりも安い主な理由は、「人件費」「スケールメリット」の2点です。建売住宅の人件費が安くなる理由は、以下の3点です。

  • 設計などのプランが規格化されている
  • 複雑な施工が少なく、現場・施工管理をできるだけ減らしている
  • 施工しやすいシンプルな住宅のため、工期が短縮できる

また、建売住宅におけるスケールメリットとは、土地や資材・設備の仕入れを1度で大量に行うことで、1軒あたりのコストを削減することです。建売住宅では似たような間取りや作りの住宅が多く、資材などを大量に仕入れることでコストを押さえられるため、低価格を実現できます。

このような理由により、建売住宅は注文住宅よりも低価格での購入が可能となります。

内見をしてから物件を購入できる

建売住宅は、完成した建物を販売しているケースが多く、実物の住宅を内見してから購入できる点もメリットの1つです。設備やデザイン、間取りを自分の目で確認できるため、生活する際のイメージもしやすいでしょう。

注文住宅は、自由に設計できますが、完成まで実物が分からないため、完成後に納得いかない部分があったとしても「購入しない」という選択ができません。

建売住宅なら、実際に住宅を見て比較・検討できることから、購入前のイメージと住み心地の相違が起こりにくくなります。

購入後短期間で入居できる

注文住宅の場合、土地選びからハウスメーカー選び、間取り、設備まですべて1から決めていくため、検討から入居までの期間が長くなります。

一方で建売住宅の場合、完成後の住宅、もしくは建築計画が建てられた住宅を購入することになるため、注文住宅に比べて購入後短期間で入居できるといったメリットがあります。

入学や異動など、入居の時期が決まっているのであれば、建売住宅のほうが計画も立てやすく、予定通りに新居へ引っ越しやすいでしょう。

建売住宅のデメリット

建売住宅は、低価格での購入が可能な点や購入から入居までの期間が短い点など、メリットも多い一方で、デメリットもあります。

メリットだけでなくデメリットも把握しておくことで、より後悔のない選択ができるでしょう。ここからは建売住宅のデメリットについて、3点解説します。

設備や間取りを自由に変えられない

建売住宅は、完成した住宅を購入するケースが多いため、基本的に設備や間取りを自由に変えることができません。

建売住宅でも未完成の状態で販売されている場合、間取りや設備などの変更が一部可能なケースもあります。しかし、対応できる範囲が決まっているなど、自由自在に変更できないことが多いため、理想の叶う完璧な住宅に出会うのは難しいでしょう。

住宅に求める条件が多い場合は、理想の建売住宅を探すか、注文住宅で理想を実現する必要があります。

デザインが画一的で個性を出しづらい

建売住宅は、より多くの方に気に入ってもらえるようシンプルなデザインに設計していることが多いため、デザイン性に富んだ住宅は少なく、画一的で個性が出しにくいです。

また、スケールメリットによって費用を抑えるため、同じ素材・設備を使用した住宅が複数完成します。近くに建売住宅が並ぶ場合は、外観のデザインが似通ってしまい、より個性を感じにくくなってしまいます。

建売住宅は安さを魅力としている分、建物や設備へのこだわりは注文住宅に比べて叶えにくいでしょう。個性的なデザインや自分好みのマイホームを実現したい場合、建売住宅は少し物足りないと感じるかもしれません。

土地の状態を確認できない

建売住宅の場合、完成した住宅の購入になることが多いため、土地の状態を確認できないといったデメリットもあります。

土地の状態は、住宅の耐震性や耐久性に影響を与えます。軟弱な土地を選んでしまえば、地盤改良が必要になるなど、将来的に費用がかさんでしまうことも考えられます。

また、日本は地震が多いため、耐震性や耐久性は住宅に求める性能の1つとして重要なポイントになるでしょう。建売住宅を購入する際は、地盤改良と基礎工事をしっかり行う良心的な業者を選ぶなどの工夫をする必要があります。

建売住宅と注文住宅のどちらがおすすめ?

建売住宅は低価格であるなどの魅力的な部分も多いものの、欠点がないわけではありません。建売住宅・注文住宅はそれぞれの特徴があり、求める条件や理想に合わせて選ぶことが重要です。

ここからは、建売住宅と注文住宅の選択で悩む方に向けて、求める条件別にどちらのほうがおすすめなのかについて解説します。建売住宅と注文住宅の比較でどこを押さえれば良いかなど、比較軸が明確でない方もぜひ参考にしてください。

【建売住宅がおすすめ】金銭的負担を小さくしたい方

金銭的な負担をできるだけ抑えたい方は、建売住宅がおすすめです。人件費やスケールメリットの観点から、建売住宅は注文住宅に比べて、販売価格が安いといったメリットがあります。

また、建売住宅は販売価格の安さに加えて、ローンが組みやすいという特徴もあります。住宅ローンは、土地と建物の総額を基準にローンを組み、完成した建物に対してローンが利用できます。

注文住宅の場合、先に土地を決めてから建物の段取りを決めるため、住宅完成までローンが利用できません。一方で、建売住宅は販売価格に土地と建物の金額が含まれているため、販売価格を基準に融資の手続きができます。

金銭面で不安を感じる方は、注文住宅よりも建売住宅のほうが、住宅購入のハードルを低く感じられるでしょう。

【建売住宅がおすすめ】すぐに新しい家に住みたい方

入居したい時期が決まっているなど、できるだけ早く新しい家に住みたい方は、建売住宅のほうがおすすめです。

建売住宅はすでに建築された家を購入できるのに対して、注文住宅は半年から1年半程度の建築期間が必要です。注文住宅は建築が始まるまでに、土地選びやハウスメーカー選びなどの段取りも多く、手間もかかります。

入居までに時間がない、すぐに新しい家が必要な場合は、建売住宅を検討するほうが良いでしょう。

【注文住宅がおすすめ】自分の理想の家を作りたい方

自分の理想のマイホームを実現したい方は、注文住宅がおすすめです。注文住宅は、外装・内装のデザインから建築材や設備まで、自由に選択できます。自由度の高さは、注文住宅の最大のメリットとも言えるでしょう。

「ホテルのような雰囲気にしたい」「カフェ風のダイニングが欲しい」など、具体的な理想やこだわりがある場合は、注文住宅のほうが叶えやすくなります。

【注文住宅がおすすめ】安全性の高い家が欲しい方

住宅に求める条件として、安全性の高い家が欲しい方には、注文住宅のほうがおすすめです。

建売住宅と異なり、注文住宅は更地の状態から家が完成するまでの工事の流れを見学できます。建築工事を見学していて不安に感じる部分があった場合は、その時点ですぐに確認ができる点が魅力です。

また、工事の開始時から「ホームインスペクション」を依頼し、家の安全性を検査できるのも大きなメリットです。ホームインスペクションとは、住宅診断士によって建物の状態を診断することを指します。

住み始める前から住宅のコンディションを専門家に見てもらえるため、安全性に不安を感じず安心して住むことができるでしょう。建売住宅でも引き渡し後にホームインスペクションは行えますが、完成後にチェックできない細部まで確認できる点は、注文住宅の強みと言えます。

まとめ

建売住宅とは、土地と一緒に完成済み、または完成予定の住宅を購入することです。購入前に内見ができる点など、メリットもある一方で、設備や間取りを自由に変更できないといったデメリットもあります。

建売住宅を購入する際は、内見時や購入前に注意点をよく確認し、購入後に後悔しないかを見極めることがポイントになります。後悔のない住宅選びをするには、専門家に相談するなど、不安を解消しながら進めることが重要です。

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